学生時代からお世話になっている先生から開院祝いに本書をいただきました。
食事療法については以前より興味がありました。
日頃から中薬の処方や生薬の本に目は通していますが、日常の食材や食事に関して、あまり調べる事はありませんでした。
古代中国では食事に対してどのようにまとめていたのか、とても参考になりそうです。
食事の処方や食材の性質などを少しずつこのブログを通じてご紹介できればと考えています。
私の研究もかねていますので、専門用語で少しわかりずらいところもありますが、ご興味のある方は是非ご覧ください。
本書の紹介
本書は「千金食治」と「食療方」の二部構成になっている。これらは古代中国における重要な食事療法の専門書である。
1.『千金食治』
唐の時代の医師、孫思邈(そんしばく)(西暦581年~682年)によって書かれた書籍。
孫思邈は京兆華原(現在の陝西省耀州市)で生まれ、幼い頃から勉学に励み医術を学び、名声や富には興味がなく民間と深く関わっており、学術ともに優れた医師である。
唐以前の臨床経験と医学理論をまとめ、処方箋、鍼灸などの内容を収集し、『備灸千金要方』(全30巻)などの著書を著し、医学に重要な貢献をした。
『千金食治』は原著『備灸千金要方』の第 26 巻であり、日常生活における果物、野菜、穀物、肉の性質、味、薬理効果などが記載されている。
また食す際の禁忌や治療効果などについても論じられている。
2.『食療方』
元代の栄養学者、忽思慧(こつしけい)による著書。
彼はかつて宮廷にて飲膳太医を務め、宮廷内の食事と調理業務を管理し、『飲膳正要』(全 3 巻)という本を執筆。
『食療方』は、『飲膳正要』第2巻、“食療諸病”の項にあり、植物性の食事処方と動物性の食事処方の2系統に分かれている。身体に与える栄養効果や病気の予防と治療に関して簡単に行える食事の61処方が記されている。
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