印西市草深の鍼灸治療院

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症例

血便 (医療機関診断名:クローン病)

【相談内容】

30代 男性
10年前にクローン病と診断されて以来、消化に良いはずの「うどん」を中心とした食事を続けているものの、それでも腹痛、下痢、そして膿の混じった血便(膿血便)が出てしまうという過酷な状況でした。

「冬になると特にお腹の調子が悪くなる」というお話から、体質的な「冷え」が症状を悪化させている可能性が強く示唆されました。

  • 主訴:血便(膿血便)、慢性的な腹痛
  • 随伴症状:下痢、腹部および下肢の強い冷え
  • 既往歴:クローン病、腰椎椎間板ヘルニア

【中医学的分析】

中医学では、クローン病のような慢性の炎症性腸疾患を、胃腸のエネルギー不足(冷え)と捉えることがあります。この方の状態は「脾腎陽虚(ひじんようきょ)」によるものと分析しました。

  • 脾腎陽虚(ひじんようきょ)とは
    消化吸収を担う「脾(ひ)」と、生命の源である「腎(じん)」の熱エネルギー(陽気)が不足している状態。いわば、お腹の中に「火力の足りないコンロ」があるようなもので、食べ物を正しく消化できず、水分代謝も滞ります。
  • なぜ血便が出るのか
    胃腸が冷え切ると、血液を血管内に留めておく「統血(とうけつ)作用」が低下します。さらに、冷えによって巡りが悪くなった場所に「湿熱(しつねつ)」という炎症のゴミが溜まることで、膿や血の混じった便となって現れるのです。

【治療】

「痛みや炎症を抑える」だけでなく、炎症を引き起こす原因である「冷え」を根本から取り除く治療を行いました。

  1. 温中散寒(おんちゅうさんかん)
    お腹にある「天枢(てんすう)」や「中脘(ちゅうかん)」といったツボに鍼とお灸を据え、胃腸の内部を直接温めます。
  2. 補腎温陽(ほじんおんよう)
    下半身の冷えが強かったため、エネルギーの根源である足のツボ(太谿、足三里など)を刺激し、全身の熱源を底上げしました。
  3. 食養生のアドバイス:うどんは消化に良い反面、小麦の性質上、体を冷やしやすく、また「よく噛まずに飲み込む」ことで胃腸に負担をかけている可能性を伝え、食べ方の工夫を提案しました。

【経過】

  • 初診〜3診
    最初の数回は大きな変化は見られませんでしたが、3診目以降、徐々に腹痛や下痢、血便の頻度が減り始めました。
  • 14診(約2ヶ月後)
    腹痛、下痢、血便の症状がほぼ消失しました。患者様からは「冬にこれだけお腹の症状がない
    のは、10年間で初めてです」と、驚きと喜びの声をいただきました。
  • 37診(治療終了)
    週1〜2回の治療を継続。14診目以降、一度も血便や腹痛が再発することなく、良好な状態を維持できたため、無事に治療を卒業されました。

まとめ

今回の改善のポイントは、症状が出ている「腸」だけを見るのではなく、その土台である「腹部と下半身の冷え」を徹底的に改善したことにあります。

クローン病などの慢性疾患では、冷えによって内臓の機能が低下し、本来持っている修復力が働かなくなっているケースが多く見受けられます。特にお腹の深部の冷えは、セルフケアだけでは解消しにくいものです。

※本症例は個人の経過であり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。

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