印西市草深の鍼灸治療院

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症例

顔面痙攣(1)

【相談内容】

70代 女性
きっかけは、左の側頭部に走った「キツン」という鋭い痛み。それ以来、左耳の奥に言葉にできない違和感を抱えるようになったそうです。

その後、症状は次第に広がり、左の耳鳴りや耳が詰まったような感覚(閉塞感)、さらには左側の顔面筋肉が自分の意志に反してピクピクと痙攣する「顔面痙攣」まで現れるようになりました。

「このまま顔が歪んでしまったらどうしよう」「耳の不快感で夜も落ち着かない」と、不安な面持ちで当院の門を叩かれました。

主な症状

  • 主訴:左顔面の痙攣(ピクピクする動き)
  • 随伴症状:左耳鳴り、耳の閉塞感、左側頭部の痛み

【中医学的分析】

中医学では、顔面痙攣のように「勝手に筋肉が動く」状態を「内風(ないふう)」と呼びます。これは体の中で風が吹き荒れるように、予期せぬ動きが起きる病態です。

今回の症例の場合、以下の要因が複雑に絡み合っていると考えました。

  • 肝風内動(かんふうないどう)
    ストレスや加齢、疲労によって「肝(かん)」のコントロール機能が乱れ、体内に「風」が発生した状態。これが顔の筋肉を動かしてしまいます。
  • 気血両虚(きけつりょうきょ)
    全身のエネルギー(気)と栄養(血)が不足し、末端の筋肉や神経を十分に滋養できていない状態。
  • 経絡の滞り:耳の周りを通る「少陽経(しょうようけい)」という通り道の流れが悪くなり、耳鳴りや閉塞感を引き起こしていました。

【治療】

今回の施術では、顔の表面だけでなく、根本原因である「気の流れ」と「耳・顔面の神経」の両面に施術しました。

1. 手足の経穴(ツボ)への施術

まずは、顔面部と密接に関係する手足のツボを選定。全体の気の巡りを整え、「内風」を鎮めるための土台作りを行います。

2. 耳周りの重要拠点「翳風(えいふう)」の活用

耳の付け根にある翳風(えいふう)というツボは、顔面神経が通る要所です。耳の症状と顔面の痙攣が併発していたこの患者様にとって、ここを刺激することは神経の興奮を鎮める鍵となりました。

3. 灸頭鍼(きゅうとうしん)による深部温熱

顔面痙攣は非常に頑固な症状です。通常の鍼に加えて、鍼の頭にもぐさを乗せて温める「灸頭鍼」を翳風に行いました。じっくりと深部を温めることで、こわばった筋肉と神経の緊張を緩和させます。


【経過】

  • 初診〜14回目
    順調に改善が進み、左耳の症状と顔面痙攣がほぼ消失。一度、治療の間隔をあけることになりました。
  • 再発期
    間隔をあけた後、顔面痙攣のみが再発してしまいました。顔面痙攣は中医学的にも非常に「治りづらい」とされる難治性の症状です。
  • 再集中治療〜50回目
    ここから「灸頭鍼」を本格的に導入。温熱刺激を加えることで、停滞していた改善スピードが一気に加速しました。現在は初診から通算50回ほどの治療を経て、顔面痙攣の症状はすっかり治まっています。

【まとめ】

顔面痙攣は、一度良くなったと思っても、ストレスや疲れをきっかけに再発しやすいデリケートな疾患です。しかし、根気強く治療を続け、適切な刺激(今回の場合は温熱刺激)を加えることで、しっかりと落ち着かせることが可能です。

日常生活でのアドバイス

  • 目を酷使しない:目の疲れは「肝」を消耗し、顔のぴくつきを誘発します。
  • 顔を冷やさない:冷えは血流を滞らせ、症状を悪化させます。

同じように「顔のピクピクが止まらない」「どこに行っても良くならない」とお悩みの方へ。諦める前に、ぜひ一度中医学の視点からのケアをご相談ください。

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