はじめまして。青藍堂の院長大坪です。
このブログでは、日々の青藍堂の出来事や、
研究内容、患者さんの疑問にお答えするなど、
様々な事を綴っていきたいと考えています。
記念すべき第1回目は、青藍堂で最も使用している道具である「毫鍼(ごうしん)」についてです。
青藍堂もそうですが、ほとんどの鍼灸治療院で最も多く使用されている鍼です。
「毫(ごう)」とは、「極めて細長い毛」という意味ですので、毫鍼は極めて細い鍼ということになります。
注射針とは違い、鍼自体が中空になっておらず、日本の場合は鍼を製造している各会社ごとに鍼の尖端の形状が異なります。
刺入する際の痛みを極力出さないよう工夫されているようです。
現代では多くがステンレスで作られておりますが、金や銀を材料とする鍼もあります。
ステンレスは切れ味がよく、昔のように鍼が折れてしまうという心配も少なく、安価なため衛生面を考えディスポーザブル(使い捨て)の鍼として多く持ちいられます。
金や銀の鍼は材質として柔らかいため、刺された感覚は非常にマイルドですが、曲がりやすく刺入しにくいため術者の技術を必要とします。また、高価なため常時使用している鍼灸院は少ないです。
材質の違いにより、効果も変わるというところが面白いところです。
鍼灸治療は外部からの刺激により、如何に身体を良い方向に動かす信号を送り込むかという事が大事になります。毫鍼は操作がしやすく鍼の太さや長さの選択をする事で、多くの疾患に対応する事が可能です。
参考図書
『黄帝内経詞典』 主編 郭靄春
『中医大辞典』 主編 李経緯
『九鍼実技解説』 東京九鍼研究会編
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