印西市草深の鍼灸治療院

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慢性腰痛の症例

【相談内容】

70代 男性

40代の頃に受けた腰椎の手術以来、約40年もの間、絶え間ない腰痛に悩まされてきました。痛みで夜も眠れないほど辛い日があり、近年では身体を左側に捻る動作が全くできなくなっていました。

これまで数十年にわたり、名医と呼ばれる専門医や大学病院をいくつも渡り歩き、あらゆる治療を試してこられたそうです。しかし、芳しい結果は得られず、半ば諦めかけていたところ、担当医から「鍼灸を試してみてはどうか」と勧められ、当院を訪ねてくださいました。

  • 主訴:慢性的な腰痛(夜間痛あり)、腰部の回旋制限(左に捻れない)
  • 随伴症状:不眠、背中の張り、下半身の重だるさ

【中医学的分析】

中医学の視点で分析すると、主に以下の2つの状態が組み合わさっていると考えられました。

  • 気滞血瘀(きたいけつお)
    長年の痛みや手術の影響で、体内のエネルギー(気)と血液(血)の流れが滞っている状態です。「通じざれば則ち痛む(不通則痛)」と言い、流れが止まった場所に強い痛みが生じます。
  • 腎虚(じんきょ)
    中医学では「腰は腎の府(家)」と呼ばれます。加齢や40年という長期の闘病により、生命力の源である「腎」のエネルギーが消耗し、腰を支える力が弱まっていました。
  • 経絡のブロック
    本来、身体を捻る動作は「足の少陽胆経(しょうようたんけい)」などの経絡が司りますが、背骨(督脈・膀胱経)の歪みによってそのルートが塞がれていました。

【治療】

40年という超慢性期であるため、通常の腰へのマッサージや電気治療では深部の「滞り」に届かないと判断し、以下のステップで施術を行いました。

  1. 頭皮針(とうひしん)による脳へのアプローチ
    長期間の痛みは脳が「痛み」を記憶してしまっています。まずは頭部のツボ(運動区・感覚区)を刺激する頭皮針を行い、脳の神経伝達を整え、痛みのバリアを解除しました。
  1. 胸椎(背中)の反応点への刺鍼
    腰痛の原因が必ずしも腰にあるとは限りません。触診の結果、胸椎(背中の骨)に顕著な圧痛点を確認しました。ここが「痛みの根源(病巣)」と判断し、直接アプローチしました。
  1. 皮内鍼(ひないしん)による持続刺激
    特製の非常に短い針を皮膚に固定する「皮内鍼」を施しました。これにより、日常生活の中でも常にツボを刺激し続け、治療効果を定着させます。

【経過】

治療直後、こお患者さんは信じられないといった表情で立ち上がられました。

あれほど固まっていた腰が、その場でスムーズに左へ回るようになったのです。「40年間、何をしてもダメだったのに……」と、劇的な改善に大変驚かれていました。

痛みの原因は、手術をした腰椎そのものよりも、それを庇って歪みが生じていた**「胸椎(背中)」**にありました。そこをピンポイントで解放したことで、長年の呪縛が解けたように筋肉が緩んだのです。

今では夜もぐっすり眠れる日が増えているとのことです。


【まとめ】

長年の痛みがある場合、痛みが出ている場所(腰)ばかりに目が向きがちですが、実は背中や頭など、意外な場所に原因が隠れていることが多々あります。

「もう年だから」「手術をしたから仕方ない」と諦める必要はありません。中医学は、身体全体のつながりを見て、止まっている流れを再開させるのが得意な医学です。

「どこへ行っても変わらなかった」という方にこそ、一度鍼灸の力を頼っていただきたい。

 患者さんの笑顔を拝見し、改めてその思いを強くしました。

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