印西市草深の鍼灸治療院

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肩こり研究② 中医学の証分類

肩こり
主症状
頸項部の拘急,重さを主とする。
ひどい場合には疼痛や圧痛があり,肩甲部や胸背部まで引っ張られる。
舌:正常、あるいは原因により異なる。
脈:多くは弦緊、渋

証候分析
頸背部の経気の阻滞が軽ければ拘急がおこり、強ければ疼痛が起きる
頸背部は諸陽経が集まるところである。そのため牽引や拘緊といった症状が現れる。原因にもとづき異なる随伴症状が見られる。

治療
治法:舒筋活絡
処方例:大椎、至陽、天柱、列缼、後谿、頸部及び胸部の夾脊穴。

風寒侵襲の肩こり
汗をかいた後に風を受けることにより血行(営衛の運行)が悪くなり、頸項部の経脈が拘急すると肩こりがおこる。ひどい場合には肩背部にまで及ぶ。

随伴症状
悪寒や冷感があり、風にあたるなど寒さを感じると増悪し、温めたり、揉んだりすると軽減する。

治法:祛風散寒を加える
処方例:合谷、風池を加える

肝陽上亢の肩こり
陰虚のために陽を制御できないと、肝陽は上犯し、頭頸部に突き上げ、つまることにより頸部が硬くなり肩こりおこる。

随伴症状
イライラ、めまい、目の充血、口苦、胸悶、顔が赤くなり熱感を伴う

治法:平肝潜陽を加える
処方例:太衝、曲池を加える

肝血不足の肩こり
長くものを視ることにより目が疲れたり、病後や産後の血虚(血の消耗)により経脈を濡養できなくなり、これにより経脈が拘急し、気血がスムーズに流れなくなると肩こりがおこる

随伴症状
目の乾き、眼精疲労、目の前に黒い星のようなものが見える、顔色が白い、眩暈、心悸、唇や爪の色が淡くなる。

治法:益気養血を加える
処方例:三陰交、陰陵泉を加える

寒飲内停の肩こり
もともと胸隔部に寒飲が停滞しており、胸陽不宣になると、背部が重く拘急がおこり、頸項部におよぶと肩こりがおこる。

随伴症状
胸悶、気喘(各種の呼吸困難の総称)、痰涎、眩暈、軽度の浮腫、口乾があるが飲みたくない

治法:温化痰飲を加える
処方例:豊隆、隔兪、定喘(横隔膜を動かしやすくする※横隔神経)を加える

気滞血瘀の肩こり
情志がのびやかでなく、憂鬱で喜びに欠けると肝の疏泄が悪くなる。このために気機が悪くなり、ひどい場合には血行障害がおこる。          
また、外傷や姿勢が正しくないために経脈を損傷し、気滞血瘀となり肩こりがおこるものもある。
※肝気鬱結(気滞)→血瘀

随伴症状
胸脇苦満、疼痛、溜め息、月経不調、情志の変化や月経前後に増悪する

治法:疏肝行気活血を加える
処方例:眼精疲労に攢竹、睛明を加え、症状が肩甲部におよぶものには肩井、肩髃を加える。

中医学の書籍に肩こりの証分類を見つけることは難しい。
『針灸学[臨床篇]』には肩こりの項目があり肩こりは“痙病”の範疇に属するとある。
その他に基本的な証分類とその治療法が記載されていて参考になる。
※痹証や水湿証などはもう少し詳しく調べて見る必要あり。
※経筋について研究が必要。

参考文献
『針灸学[臨床篇]』 東洋学術出版社
『首こり肩こり解消法』 石川家明・石田智子
『中医大辞典』人民卫生出版社

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